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  • クワガタ・カブトムシの冬場の温度対策についてⅢ【温源(熱を発する機器)を使わない方法】【Shiho流 2025年度版】

    ここ先日までの日記記事でクワカブの冬場の管理方法について発泡スチロールを使用した簡易温室」「メタルラックを使用した簡易温室等をご紹介して来ました。

    これらは冬場の温度管理対策として、どちらも温源(熱を発する機器)を使用した簡易温室でした。

    今回の日記では、そういったものを利用せず、もっと容易に冬場の管理が出来ないかを考えてみたいと思います。

     


    そのまま常温で管理出来れば楽なのですが・・・💦

     

    ※これはあくまで私、Shihoが考えうる方法をご紹介するもので、他にも様々な対策案があると思います。ご参考程度に見てもらえれば幸いです。またこの記事は過去にもご紹介したことがあります。一部重複しますことをご了承下さいませ※
     

     

    冬場は当たり前ですが、気温が下がります。
    気温が下がる中、温源を使用するエアコン管理や、簡易温室を利用せずに何とか乗りきる方法はないのでしょうか?

    あくまで私が考えつく参考例(画像がなくてスミマセン)にはなりますが、いくつか具体例を挙げてみたいと思います。

     

     

    【日中、日が当たる部屋の影になる場所に置く】

    日中に日差しが入り、部屋全体が比較的暖かくなる場所に置くということ。

    但し日光を直接当ててはダメです。
    あくまで影の場所において下さい。
    一度温度計を置いてその部屋がどれ位の温度になるか計ってみるのも良いでしょう。

     

     
     
    【発泡スチロール箱やダンボール箱に入れて管理する】

    管理する時、棚の上等でそのまま管理するのではなく、ダンボール箱や発泡スチロール箱に入れて管理するやり方です。

    外からの見栄えは悪くなりますが、ダンボールや発泡スチロールは保温性があります。入れた周りの隙間などに新聞紙や綿などを入れても良いと思います。

     

     
    【土やマットに埋めて管理してみる】

    衣装ケースなどに菌糸ビンやケースに入った成虫などを入れ、その周りをビンの肩口付近位までマットや土、腐葉土などでフタの部分まで埋めるという方法です。

    ここでのポイントは地面となるマットなどは固く敷き詰めないで、軽くフンワリと敷くのがポイントです。空気が含めばより保温性が高まると思いますので・・・。
     

     
    【プチプチやアルミマットなどのクッション材等をケースや菌糸ビン等に巻く】

    菌糸ビンや飼育ケース等に、プチプチやアルミマット(薄いやつ)などのクッション材等を巻いて管理する方法です。

    寒さが直接当たらないように防護するといったやり方です。

    衣装ケースなどに一緒にまとめて入れ、その周りを全体的に巻いても良いかとは思います。
     

     
    【水を張った水槽や衣装ケースなどに入れる方法(温源利用する手もあり)】

    夏場にはよく聞く方法です。
    水を張った水槽や衣装ケースに上面が出るようにして水の中に入れます。

    ただしこの方法は冬場はかなり水も冷たくなると思いますので、自然的な方法からは外れますが、熱帯魚の温度を保つ熱源を入れてやると良いかと思います。

    これにより水が温められて適温になるかと・・。

    サーモまでつなげれば、よりベストだと思います。
    先日紹介した簡易温室が空気を暖めるバージョンならば、こちらは水を温めて利用するバージョンといった感じでしょうか・・・。
     
     

     如何でしたでしょうか?
    正直、温源を使用した対策には及ばないとは思いますが、何もしないよりは少しは効果があると思います。

    勿論他にも色々とやり方は沢山あると思います。
    今回は実際の画像がなく、文面だけではわかりづらかったかもしれませんがご参考にして頂ければ幸いです。

    皆さんも色々と工夫をしてこの冬を乗り越えましょう。(^^)

     

    ※管理のやり方には色々な方法があると思います。今回紹介したのははあくまでも私Shihoの考え方による管理方法についてのやり方&見解です。 あくまでご参考程度に見て頂けますと幸いです。

  • クワガタ、カブトムシの冬場の温度管理方法 Ⅱ【メタルラックで作る簡易温室作成】【Shiho流 2025年度版】

    本日より12月に入りましたね。

    寒さもより一層増してくる季節になって来ました。。

     

    さて先月末の日記で、冬場の温度対策の一例として、Shiho自作の発泡スチロールで作る簡易温室の作成方法をご紹介しました。

    今回は発泡スチロールの大きさじゃ容量が足りないという方達の為に、ちょっとワンランク上のメタルラックを使用した簡易温室の紹介をしてみたいと思います。

     

    ※あらかじめ御了承を得たいのですが、この記事は秋口になると毎年紹介しております。それゆえに何度もお目にかかられた方も多いと思います。

    ですが、今年から始められたクワカブ初心者の皆様や当日記を初めて御覧になられている方達の為に少しでもお役に立ちたいと思い、しつこいながらも今年も紹介させて頂きたいと思います。

    一部訂正箇所や追記事項もありますが、大体の内容は例年と同じ重複しております。御理解&御了承の程よろしくお願い致します。

     

     

    ではご紹介していきましょう。

     

    出来上がった全体図からご紹介すると、

    浜田温室1

    このような感じで作成しました。

     

    この温室を作成するのに、いくら予算が必要なのかを知りたい方も沢山いらっしゃると思いますので、作成時にかかった金額をご紹介してみたいと思います。

     

    <材料>

    メタルラック:150cm(中古)
     1個 ¥2000
    フォーム(上下面&背面)
     1枚 ¥800
    養生プラダン(左右側面&背面)
     2枚 ¥360(@¥180)
    ビニールカバー(前面)
     1m×1.8m ¥380
    プレートヒーター(中古)
     1個 ¥3000
    サーモスタット(中古)
     1個 ¥1000
    ファン:小型扇風機(中古)
     1個 ¥300
    室内外用温度計
     1個 ¥1500

    総合計金額 ¥9340

    ※金額は購入した際(2016年当時)の価格
    ※価格はあくまでこちらで購入時の目安です※

     

    このような感じで温室を作成しました。

     

    材料について一つずつ細かく紹介してみましょう。

    ※紹介してる材料は実物とは一部異なるものもあります。あくまでも参考画像です。ご了承下さいませ※

     

    【メタルラック(150cmタイプ)】

    OLYMPUS DIGITAL CAMERA

    メタルラック150cm程の同様のタイプです。

    一番下に温度の元(ヒーター)を入れますので、それの熱がスムーズに上に上がるように棚板は隙間のあるものが良いです。その点で言えばメタルラックは適任ですね。

     

    【フォーム】

    OLYMPUS DIGITAL CAMERA

    フォーム

    いわゆる住宅用の断熱材(発泡スチロール)の板です。

    通常の発泡スチロールでも良いですが、住宅用のフォームはきめが細かく保温効果も強いですのでお勧めです。

    この時は上面、下面、背面のみに使用しましたが、全ての面を覆ってもOKです。

     

    【養生プラダン】

    浜田温室素材4

    養生プラダン

    薄く柔らかめの断熱素材です。
    コスト削減の為に左右側面に使用。
    上記のフォームと比べると同じ大きさで価格は約1/5で済むのが魅力です。

     

    【ビニール製カバー】

    ビニールカバー1

    柔らかめのビニール製カバー

    切り込みを入れ、のれんのようにして前面のカバーとして使用しています。ほぼ透明なので中の様子がある程度見えるのも良いですね。

     

    【プレートヒーター】

    浜田温室素材3

    プレートヒーター
    暖房管理の必需品です。

    これは実際に使用しているものと同型機。
    ワット数は250Wあります。

    温室用に使用するヒーターとしてはとても使いやすいタイプで、このW数ならば150cmメタルラックの容量程度ならば十分に温めてくれます。とても扱いやすいです。

     

    【サーモスタット】

    OLYMPUS DIGITAL CAMERA

    温度調整の必需品、サーモスタット

    中のヒーターにより温度が上がり過ぎると、設定温度を超えた時点でスイッチが切れ、設定温度からある程度温度が下回るとスイッチが自動的に入るというのがサーモスタット。

    人がつきっきりでなくても自動で管理してくれるのでとても重宝します。

    ちなみに上の画像のサーモスタットは約15年位前に私が使用していたもの。これを見ると当時の懐かしい記憶が蘇りますね。

     

    【ファン:小型扇風機】

    OLYMPUS DIGITAL CAMERA

    ファン(小型扇風機)です。
    温室内の空気の循環に使用します。

    ヒーターにより温めた空気は上に上がりますので、温室内はどうしても上部の方が温度が高くなります。

    その温まった空気を循環させ、均一にするのがファン(小型扇風機)です。これを使用する事により温室内全体がほぼ均一な温度をキープ出来るでしょう。

     

    【室内室外温度計】

    OLYMPUS DIGITAL CAMERA

    室内外用温度計

    長いコードのあるセンサーで温室の内部の気温を計ると同時に、外気温も計る事が出来る便利もの。

    温室内が今現在何度なのか、これがあれば一目瞭然です。

    ちなみに上記画像の温度計は月夜野きのこ園で販売されているものと同じです。

     

    以上がメタルラックを使用した温室の作成でした。

     

    如何でしたでしょうか?

    ここは宮崎県という事もありまして、宮崎県の冬の気温に適した温室作成をしております。

    例えば、メタルラックの全ての面をフォームで囲めば、それ以上の保温効果は望めますが、南国宮崎県という土地柄、そこまでしなくても十分に保温効果が得られると判断した上での作成方法になっております。

    温室も使う場所によって様々に状況(温度)が変わってきますので、その様子を見ながらご自分なりのオリジナル温室を作成すると良いでしょう。

    道具を駆使して、お安く、丈夫でかつ便利な温室を作り、冬の寒さを乗り越えましょう!

     

    ※この温室作成方法はあくまで私個人の作成方法の一例です。 人それぞれによって考え方や方法等は異なると思います。あくまで参考例として見ていただければ幸いです。

  • クワガタ、カブトムシの冬場の温度管理方法 Ⅰ【発砲スチロールで作る簡易温室作成】【Shiho流 2025年度版】

    早いもので11月ももう終盤

    日中の気温もグンと下がり、朝方に至っては0℃近くなる地域も出て来ております。

    冬場になると、クワカブ飼育者の頭を悩ませるのが、そうです、「温度管理」です。

     

    今回は、毎年恒例記事の一つ、冬場の温度管理方法についてご紹介したいと思います。

    その一つの方法である、Shiho自作の「簡易発泡スチロールによる簡易温室」の紹介です。

    ※あらかじめ御了承を得たいのですが、この記事は秋口になると毎年紹介しております。それゆえに何度もお目にかかられた方も多いと思います。

    ですが今年から始められたクワカブ初心者の皆様や当日記を初めて御覧になられている方達の為に少しでもお役に立ちたいと思い、しつこいながらも今年も紹介させて頂きたいと思います。

    一部、修正や追記事項等もありますが、大体の内容は例年と同じ重複しております。御理解&御了承の程よろしくお願い致します。

     

     

    ブリード環境下において、中でも外国産のクワカブにとっては日本の冬は寒さの厳しい時期です。

    日本の虫は、元々この日本の四季のある環境に順応しており、氷点下になる冬でも乗り越えられる能力を持っています。

    ですが、外国産の虫についてはこの能力は持ち合わせておらず(一部例外もあります)、日本の虫と同じように常温飼育をしてしまっては、 かなり動きが悪くなり、場合によっては死亡してしまいます。

    それではどうすれば良いのか?

    答えは温度管をしてあげれば良いのです。

    簡単に答えてしまいましたが、この温度管理、結構大変で苦労している方も多いと思います。

     

    温度管理方法で一番先に思いつくのは、

    【エアコンでの管理方法】

     

    IMGP3779

     

    大量に虫を飼育されている方等は、一部屋ごと空調(エアコン)による温度管理をされている方が多いようです。

    しかしコストが割高になる、家族の理解など、なかなか問題があり、そうそう容易に実行出来るものではありません。

    少量を飼育されている方、 電気代を考えて一部屋エアコンを常時つけられない方も多数いらっしゃると思います。

    そんな時は簡易温室を作ってみるという手があります。

    簡易温室には、ガラス温室を利用した立派なものもあれば、メタルラックにビニールをかぶせたもの、 ダンボールや発泡スチロールを工夫して作ったもの等、工夫次第で色々手作りする事が可能です。

    今回はその中でも、少量飼育の方の場合を想定して、発泡スチロールでつくった簡単な温室をご紹介してみたいと思います。

     

    【発泡スチロールで作る小型簡易温室】

    同じ大きさの発泡スチロールを3個用意します。

     

    3個の発泡の内、2個を底面をカッターでくり抜き、キャンプ等で使用するバーベキュー用の金網をおきます。

     

    残り一つは一番底面になるのでそのままですが、温度源となるものを置きますので、コードの穴を開けます。 今回は電気あんかを温源に使用しました。

     電気あんかの下には少しでも熱を上に上げる為に、アルミ箔シートを下に敷き詰めました。

     

    コードの穴の隙間部分は切り取った発泡スチロール部分を少し小さくして再度はめ直すとよいでしょう。

     

    3つそろって下のような感じです。

     

    後は重ねて、2つの段の上に飼育する虫を置くだけです。

     

    この温室は小さいので多数は置けません。また温源も電気あんかと比較的弱めの温源であるため、外気温が凄く寒い場合には、中が低くなる場合もあります。置く場所などを選んで、 適温になるように調整しましょう。

     

    <理想の温度帯>

    温室が完成しましたら、必ず温度テストをするようにしましょう。
    どこにお住まいか、またどんな場所に置くかでも温度はかなり違ってくると思われます。

    ご自分の育てる場所で、どれくらいの温度をキープ出来るかを認識しておくことは重要です。

     冬場でもクワガタ、カブトムシ(主に外国産)を活発に活動させるには、

    15~28℃

    大きく言うと、この温度帯をキープが必要かと思います。

    ※飼育する虫の種類によっては活発な活動温度帯は異なります。それぞれの飼育種に合わせて更に細かく調整するなどの工夫も必要かと思います※

     

    テスト実験してキープ温度がもう少し低いならば

    ・もう少し暖かい部屋に移動させる
    ・外側にアルミシートなどをかぶせる
    ・加温器を少しグレードアップさせる
    ・発泡スチロールの容量を少し狭くする

    等の対処をして、ご自分のお住まいに合った調整法を考える必要があると思います。

     

     

    <温度確認方法>

    中に温度計を1つ入れて確認すると良いと思います。

    弊社でも販売している「室内室外温度計」ならば、先端のセンサーの部分だけを小さな穴を開けて差し入れておけば外側からでもすぐに内部の温度が分かるので便利です。

    室内室外温度計

     

    また昔小学校の頃位に実験などでよく使っていた30cm位の長い温度計などでも発泡スチロールの上面から突き刺しておけば、外側からでも確認出来るので便利だと思います。

     

    <通気確保>

    また空気確保の為、発泡スチロール上面に小さな穴を2つ位開けておくと良いと思います。元々そこまで保温能力は高くないので、大きめの穴は避けた方が良いでしょう。

    この様な感じで小型のものならば結構簡単に作れます。
    飼育の数に合わせて土台を選び、それにあった温源を選択するとよいでしょう。

    温度が高く上がりすぎるような温源(小型電気ヒーター)等は、 コンセントとの間にサーモを接続して温度設定をしてあげれば、 一定の温度を保つ事も可能かと思います。

    また、より広く、ちょっと本格的なものを作りたいならば、例を挙げるならば下記の画像のような園芸用の温室等を使用すればより簡単に簡易温室が作れます。

    d02pic_1022_2

    一番下の棚に温源となるものを入れて後は密閉するだけ・・・。
    温源とサーモを接続してコンセントに差し込めれば、容易に温度管理が可能です。

    また内部に小型ファンを入れれば空気も循環して全体的にムラなく温度管理が出来るでしょう。

     

    ご紹介したのはあくまで簡易温室ですが、以外となかなか役に立つものです。

    しかし上記でも書きましたが、皆様の住んでいる地域地域によっては能力に差が出てくることもあります。

    例えば北海道で使用するのと九州、沖縄で使用するのとでは全然違ってきます。

    それぞれの管理する場所にあった温室作りが大事だと考えます。

    しっかりと温度対策をして厳しい冬を頑張って乗り切りつつ、クワカブライフを楽しみましょう。

     

    ※この方法はあくまで私自身のやり方です。 人それぞれによって考え方や方法等は異なると思います。あくまで参考例として見ていただければ幸いです。

  • Shihoの飼育日記ブログ再開のお知らせ!!

    皆さん、こんにちは、月夜野きのこ園飼育&採集担当のShihoです。

     

    私事で大変恐縮なのですが、今月の11/12より、体調不良により、宮崎市の某病院に入院し、現在(11/25)に至っております。。

    救急車で搬送されたゆえ、いきなりの事だったので、何も準備が出来ないまましばらくが経過しいてしまいました。

    その間、お客様からの質問や、ブログの更新が止まってしまいましたことを深くお詫び申し上げますm(__)m

     

    今現在もまだ入院中の身ではございますが、最初の手術も終え、次第に体調も回復気味ですので、病室にネットを繋ぎましてブログの更新やご質問の返答等の対応をしていくつもりでございます。

    まだ何かと不便をおかけすることもあるかもしれませんが、精一杯対応しこうと思っております。

     

    それでは、どうぞよろしくお願い申し上げますm(__)m

    飼育日記担当:Shiho

  • クワガタを越冬させる方法:越冬するクワガタの冬場の管理方法!【2025年度版】

    11月も中旬になり、これから本格的な冬がやって来ます。

    今回は、冬場の管理方法の一つ、越冬の方法についてご紹介してみたいと思います。

     

    ※これからご紹介するやり方は過去の日記でも取り上げておりますので、過去の日記の記事&画像(一部加筆&訂正あり)が重複しますことをご了承下さいませ。※

     

    代表的な越冬するクワガタと言えば、

    おなじみ国産オオクワガタ、

    オオクワガタ♂♀
    参考画像:国産オオクワガタ♂&♀

     

    国産オオクワガタは野外では春~秋(4月~10月位)にかけて活動、冬(11月~翌年3月位)には越冬をします。

    飼育下においては温度をかけてやれば一年中活動しますが、温度管理が必要となります。

    温度をかけないやり方(常温飼育)の場合は越冬をさせてやることで翌年春より活動を再開します。

    越冬後も元気な姿を見る為にも適切な越冬体勢を整えてあげることが必要かと思います。

    私:Shihoなりのやり方にはなりますが、国産オオクワガタを例にとって越冬のやり方をご紹介したいと思います。

     

    まずは皆様、ご自分の飼育状況を考えて下さいませ。
    エアコン温室などで、冬場も温度管理が出来る方は、そのままその管理下で飼育すれば良いと思います。

    では、温度管理が出来ない場合どのようにして越冬させるのかをご紹介してみたいと思います。

     

     

    国産オオクワガタ成虫(越冬可能なクワガタ含む)の越冬方法

     

     

    <用意するもの>

     

    OLYMPUS DIGITAL CAMERA

    オオクワガタを越冬させるのに準備した用品類。

     

    簡単にまとめると、

    【主役のオオクワガタ】
    来年に備えの為に越冬させてあげます。

    【越冬させるケース】
    用意したのは、クリーンケースS
    SSサイズでも十分ですが、スペースは広い方が管理温度が安定するので、大きめのケースでやるとなお良いと思います。

    【ケースに埋め込むマット】
    今回用意したのは、ヒノキマット

    その他のマットだとどのようなマットを選んだら良いのか?
    基本的にはどんなマットでも構いませんが、可能ならば粒子が粗く、空気が含みやすいものが私 は好きです。

    2021年現在、弊社で今販売している商品ですと、
    ヒノキマット、黒微マット、 きのこマット完熟マット黒土マット産卵マット(プロトタイプ)があります。

     内容的に詳しく申し上げると、

    虫の体に優しいマットを選ぶならば、
    きのこマット完熟マット黒土マット産卵マット(プロトタイプ)黒微マットがお勧め。

    少しでもダニ等の発生を防ぎたいのであれば、
    ヒノキマット がお勧めです。

    ただヒノキマットの場合、新品で開封直後は針葉樹独特の香りが強い場合がある時もありますので、その時は数日かけて香りを飛ばしてから使用すると生体にも優しくなるかと思います。

     

    今回はヒノキマットを選んでご紹介します。

     

    【マットに埋め込む材(1~2本:木片でOK)】

    マットの中に潜むクワガタに空間(隙間)を作ってやる為です。

    【マットの上に敷く転倒防止材】

    マット上に上がって来た際に転倒して弱らないために用意します。

    【ゼリー】

    越冬開始してしまえば、しばらくは必要ありませんが、準備した直後と、越冬が終了した際、タイミングはこちらでは分からないので、一応念のために入れておきます。

     

    では、実際に越冬セットを組んでみましたので、その時の様子を順を追ってご紹介してみたいと思います。

     

     

    <越冬セットの組み方>

     

    OLYMPUS DIGITAL CAMERA

    さぁセット開始です。

    マットは水分量が少ない場合は、少し加水し、水分調整をします。この際、マットが固まる位の水分量では多すぎます。水分は少なめにします。押詰めません、軽く空気を含むように入れます。

     

     

    OLYMPUS DIGITAL CAMERA

    主役の国産オオクワガタを入れます。

     

     

    OLYMPUS DIGITAL CAMERA

    あくまで私の場合ですが、生体が隠れれるように木片を1~2本入れます。

     

     

    OLYMPUS DIGITAL CAMERA

    上から見ると、こんな感じです。

     

     

    OLYMPUS DIGITAL CAMERA

    その上からマットを軽くかぶせます。
    この時も押詰めずに軽く空気を含ませるような感じでかぶせます。
    マットはケース高さの約8割程度までかぶせます。

     

     

    OLYMPUS DIGITAL CAMERA

    そして転倒防止のハスクチップとゼリー。

    完全に潜って上部に出てこなくなったらゼリーはしばらくは撤去しても良いですが、セット初めの時は越冬のスイッチがまだ入り初めかどうかの時期ですので、一応ゼリーは入れておきます。

     

     

    OLYMPUS DIGITAL CAMERA

    真上から見たらこんな感じ

     

     

    OLYMPUS DIGITAL CAMERA

    フタをして完了。

     

     

    091024-11
    上の段階のままでもOKですが、コバエ等から守る為に新聞紙とディフェンスシートを用意する手もアリです。

     

     

    <用途理由>

    ディフェンスシート
    乾燥、コバエ等から守る

    【新聞紙】
    マットから蒸発した過剰な水分をケース内で蒸れさせずに吸収させる為

     

     

     

    091024-12
    ディフェンスシートを容器の大きさに切って乗せます。 

     

     

    091024-13
    次に新聞紙を乗せます。私はいつも2~3重に折り曲げます。

     

     

    091024-14
    最後にフタをして完成です。 

     

     

    如何でしたでしょうか。
    私は越冬するクワガタは上記のような方法でセットしています。

    また国産オオクワガタだけでなく、国産コクワガタ、外国産のクワガタでも台湾オオクワガタ、ホペイなどは越冬させます。

    形は似ていますが、国産ヒラタは厳しい寒さにはあまり強くはありません。
    私なりには越冬は極力控えた方が良いと判断しています。ご参考までに・・・。

     

     

    【国産オオクワガタ幼虫の場合】

    次に幼虫の場合ですが、冬場に温度管理をすれば、冬の間もエサを食しますので成長を続けます。
    常温管理の下におけばある程度の寒さに達した時点で越冬し始めます。

    この間はエサを食さないので成長は止まります。
    やり方は飼育される方のお好みで選んで頂ければと思います。

    より自然に近い方法がお好みならば常温飼育、冬場も成長させたいのであれば温度管理飼育・・・という具合です。

    ※ただし、幼虫を入れているマットや菌糸は管理状況によっては、コバエやダニ、線虫、菌の寿命等により、劣化する場合があります。

    その場合は越冬させせているからと言っても、交換してあげた方が良い場合もありますのでご注意下さいませ。

     

    如何でしたでしょうか?

    上記が私Shiho流ではございますが、国産オオクワガタ(越冬するタイプのクワガタも含む)の越冬方法例になります。

    夏場と冬場・・・厳しい温度変化のある日本では管理方法やその準備 がなかなか難しいですよね。。

    手はかかりますが、やり方(方法)はありますので、少し頑張ってお大事な虫たちの為に準備してみては如何でしょうか?

    では皆様、これから寒い冬が来ますが、一緒に頑張っていきましょう。(^^)/

     

    ※管理のやり方や考え方には色々な方法があると思います。今回述べるのはあくまでも私Shihoの管理方法についてのやり方&見解です。 あくまでご参考程度に見て頂けますと幸いです。

  • スジクワガタの産卵:夏に採集したスジクワガタを産卵させてみよう 【2025年度版】

    「夏に採集したクワガタを産卵させてみよう」シリーズ。

    今回は「スジクワガタ」の産卵セットの方法をご紹介して見たいと思います。

    ※この記事は昨年もほぼ同じ内容で掲載させて頂いております。今年より産卵を初めてする方も多くいらっしゃいますので改めて掲載させて頂きました。記事内容&画像が重複しますことをご了承下さいませ※

    野外採集してきた個体も、飼育個体も産卵方法は同じですので、これからスジクワガタを産卵させようと思われている方の参考になれれば幸いです。

     

     
    【スジクワガタ♂:2018年度採集個体】

     

     

     スジクワ♀1
    【参考画像:スジクワガタ♀個体】

     

    【飼育種】
    和名:スジクワガタ
    学名:Dorcus striatipennis
    産地:日本国

     

    スジクワガタの場合、産卵木を使用した方法が最適です。

     

    <産卵セット時の方法>

     

    ★材を使用しての産卵セット方法★

     

    【産卵に使用するマット&材】
    マット+材2本程度
    【産卵に使用するお勧めマット】
    きのこマット完熟マット産卵マット(プロトタイプ)
    【産卵に使用するケース】
    クリーンケースM~L程度
    【産卵管理温度】
    25℃前後
    【水分量(湿度)】 
    多からず少なからず
    【セット方法】
    ケース底面を固くつめ、材を入れ、その回りは柔らかく詰める。
    上部2~3cmほどは柔らかくマットを入れる。
    材の頭が出るようにセット。

     

    産卵セットは図示すると以下のような感じで組みます。(参考例です)

     

    zaisanranset

     

     

    では画像と共にセット方法の手順をご紹介したいと思います。

     

    <手順>

     

    まずは使用する材を用意。
    こちらはクヌギ材になります。
    IMGP7730

     

    次に材の皮を剥きます。
    IMGP7731

    材の皮は剥かない方もいらっしゃると思います。自然界では当然皮などは剥けていないので、より自然のままのセットをお好みの方はそのままセットするというやり方もありだと思います。

     

    材を水に浸します。
    IMGP7736

    あくまで私のやり方ですが、私は材を水に浸す時、そこまで長い時間はかけません。

    目安は水に浸している途中で材を取り出し、実際に持ってみて、重量的に十分に水分が含まれているかどうかをみて判断します。

     

    IMGP7737

    実際に手に取って水分の染み込み具合を確認します。

    これは感覚的なものなので、どれ位とご紹介するのはとても難しいです。

    もし敢えて時間的に言うならば、早くて5分、長くても10分位といったところでしょうか。

     

    水から出した材を縦に置き、陰干しします。
    IMGP7739

    これも私的にはあまり時間はかけません。
    元々長く水に浸していませんので、陰干しもごくわずかの時間です。
    敢えて時間的に言うならばやはり5~10分程度でしょうか。

     

    次にマットを準備します。

    IMGP7740

    今回は材に産ませるようにセッティングしますので、マットはある程度なんでも可能ですが、幼虫が材から出て来て、こぼれ落ちてしまった場合、マットでも食せるように敢えて発酵マットを使用します。

    お勧めは、きのこマット完熟マット産卵マット(プロトタイプ)、です。

     

    材を入れます。今回は2本のクヌギ材です。

    IMGP7742

     

    材の周りをマットで埋め込みます。
    IMGP7744

     

    上から見た画像
    IMGP7745

    マット産みの傾向も強い種類では、材の横より下の隙間もマットを固く詰めると良い傾向があります。材に気に入らなればマットにも産んでくれます。

    しかしスジクワガタに関してはほとんど材産みが主なようです。
    スジクワガタは野外では土に半分埋まった材からも幼虫が出てくるので、本来は材産みですが、似たような環境を作る為に私の場合は敢えて材を埋めるようにセットしています。

     

    後は上に転倒防止のハスクチップを敷きます。
    IMGP7746

     

    ゼリーを入れます。
    IMGP7748

     

    後は親♀を入れフタをします。
    IMGP7755
    今回はコバエシャッターを使用してみました。

     

     

     産卵セッティングに関しては上記のようなやり方でセットを組めば大丈夫だと思います。

     

     

    次に産卵セットを組んだ後、今度はいつその幼虫の割り出し作業を行ったら良いのかについてご紹介してみたいと思います。

     

     <割り出し、幼虫取り出しの時期>

     

    スジクワガタの場合、基本的に材産みの種ですので、材の中に幼虫が入っているのがほとんどです。ですが、上記のような埋め込み式のセット方法を組んだ場合、結構な確率で、マット側面にも幼虫が確認出来る事も多々あります。

    理由は材からこぼれ落ちた幼虫がそのままマットに移行し、マットも発酵マットゆえ食べる事が出来るので、材には戻らずそのままマット中に居座る為です。

     

    割り出しのタイミングは、基本的にはケース側面や底面に幼虫が見え始めてからになります。但しマット状態が悪い場合、すべての幼虫は材に入り込んでマットには出てない場合もあります。

    あくまでも目安ですが、ケース側面&底面に幼虫が見えている時は、「ケース側面&底面に幼虫が5~6頭位見え始め、その幼虫の大きさが2令位の大きさになった位」が割り出しの目安です。

    もしマット側面&底面に幼虫が見えてこない場合は、材の中にのみ入っている場合が多いですので、ケース外側からは幼虫が見えず割り出しのタイミング分かりません。そういった場合は、思い切って産卵セット開始後、「約2ヶ月程度」を目安に割り出すと良いと思います。

     

    卵や幼虫が1~2頭見え始めたからといってで早期に割り出してしまうと、まだ産む気がある♀の産卵活動を一旦ストップさせてしまうことがあるのであまり好ましくありません。

    だからと言ってスジクワガタの場合も、あまり長く放置も出来ないんです。その理由は「子食い」にあります。

    先の日記記事「コクワガタ編」でも書きましたが、コクワガタ、オオクワガタ、ヒラタクワガタ等のドルクス系クワガタは子食いの可能性が高いことで知られています。勿論スジクワガタも同様です。

    産卵をしている♀は栄養補給の為に高蛋白質のものを欲し、栄養価の高い幼虫、いわゆる自分が産んだ我が子を食してしまう事がよくあります。

     

    コクワガタ幼虫子食い
    子食いによって親♀に食された幼虫(コクワガタのセット)

     

    こうならない為にも、産卵セットを組んだ後、ある程度の期間で割り出してあげる事も必要になってきます。このことはスジクワガタ、コクワガタ、オオクワガタやヒラタクワガタ等のドルクス系でも同様だと言えると思います。ご注意下さいませ。

     

    いかがでしたでしょうか?

    上記が私のスジクワガタの産卵セットの組み方です。

    スジクワガタの産卵セット時の管理温度は私の場合は25℃前後程度で行っています。

    実際、以前もこの温度帯で成功していますので、この温度帯をご紹介していますが、ただスジクワガタは野外でも比較的標高のある所を好みますので、25℃前後よりもうすこし低い温度設定でも良いのかもしれません。

    是非一度産卵セットを組み、幼虫飼育を挑戦してみて下さいませ。(^^)

     

    ※この方法はあくまでも私:Shihoの産卵セットの組み方です。やり方は人それぞれですので、あくまでご参考程度にご覧頂けますと幸いです。m〈_ _)m※

     

  • ネブトクワガタの産卵:夏に採集したネブトクワガタを産卵させてみよう 【2025年度版】

    「夏に採集したクワガタを産卵させてみよう」シリーズ。

    今回は「国産ネブトクワガタ」の産卵セットの方法をご紹介して見たいと思います。

     

    ※国産ネブトクワガタは亜種:アマミネブトや沖永良部ネブト等多数ありますが、産卵方法に関しましては全て今回ご紹介するセット方法で産卵が可能です※

     

    ネブトクワガタ、とても小さく、あまり格好よい印象はないかもしれませんが、それは小~中歯タイプでの事、大型の大歯タイプのフォルムは素晴らしく格好が良く、これを国産オオクワ位のサイズにしてみたら、国内一格好の良いクワガタと言っても過言ではありません。

     

    ※飼育方法につきましては、過去の日記記事と重複する部分(一部加筆&訂正あり)がございます。あらかじめ御了承下さいませ。

     


    【個体参考例:本土産ネブトクワガタ♂】

     

    【飼育種】
    和名:本土産ネブトクワガタ
    学名:Aegus laevicollis
    産地:日本国

     

     

    <産卵セット時の方法>

    【お勧めのマット】
    黒微マット

    黒土マット
    【お勧めの容器】
    クリーンケースM~L程度
    【水分量】
    手で握って土団子が出来て、なおかつ水が染み出ない程度
    【マットの詰め方】
    ケース底面7割程度固く詰めて上部3cmはフンワリと。
    【設定温度】
    25~28℃前後

     

     

    まずは産卵セットに使用するケースを準備。
    今回はクリーンケースを使用します。
    IMGP7733

     

    マットを大きなケースに出します。
    お勧めは黒土マット
    IMGP7700

     

    ケース底面を固めていきます。
    IMGP7706

     

    固く詰めたマットの上にフンワリとマットを敷きます。
    IMGP7707

     

    転倒防止のハスクチップを入れます。
    IMGP7708

     

    ゼリーを入れます。
    IMGP7710

     

     

    親となる♀(参考画像)を入れます。

    【個体参考例:本土ネブトクワガタ♀】

     

     
     
     クリーンケース使用の場合は間に新聞紙を挟んでセット完了

    IMGP7724

     

     

    セット方法を図示するとこのような感じです。
    matsanranset

     

     

    如何でしたでしょうか?
    上記が私の本土産ネブトクワガタの飼育方法です。

    本土産ネブトはシーズン中に野外で採集したワイルド♀から持ち腹で産ませようとすると、なかなか産まないことが多いと言われています。

    一説にはネブトクワガタの♀はシーズン開始したら、まずは産卵を済ませてから木に付くと言われていることもあるみたいです。

    なので木に付いているワイルドの♀を採集して産卵させても、既に産卵終了している個体なので産まないとか・・・。

    真偽の方ははっきりとは分かりませんが、確かにワイルドものの♀をそのまま産卵させた場合、なかなか手強いのは事実です。

    ちなにみ実際私の所でも、累代ものの個体の場合、意外にあっさりと産んでくれた経験があります。(本土ネブトと奄美ネブト)

    それか何か上手く産ませるコツがあるのかもしれませんね。

    皆さんも国産のネブトクワガタの採集個体を持っていらっしゃいましたら、是非一度挑戦してみて下さいませ。

     

    ※この方法&セット方法の考え方はあくまでも私:Shihoの産卵セットの組み方です。やり方は人それぞれですので、あくまでご参考程度にご覧頂けますと幸いです。m〈_ _)m※

  • アカアシクワガタの産卵:夏に採集したアカアシクワガタを産卵させてみよう【2025年度版】

    「夏に採集したクワガタを産卵させてみよう」シリーズ。

    今回は「アカアシクワガタ」の産卵セットの方法をご紹介して見たいと思います。

    ※この記事は昨年もほぼ同じ内容で掲載させて頂いております。今年より産卵を初めてする方も多くいらっしゃいますので改めて掲載させて頂きました。記事内容&画像が重複しますことをご了承下さいませ。一部更新されている追記記事もございます※

    野外採集してきた個体も、飼育個体も産卵方法は同じですので、参考になれれば幸いです。

     


    【アカアシクワガタ♂参考画像:2025年採集個体】

     

    【飼育種】
    和名:国産アカアシクワガタ
    学名:Dorcus rubrofemoratus
    産地:日本

     

     アカアシクワガタの場合、産卵木を使用した方法が最適です。

     

    <産卵セット時の方法>

     

    ★材を使用しての産卵セット方法★

    【産卵に使用するマット&材】
    マット+材2本程度
    【お勧めマット】
    きのこマット
    完熟マット
    産卵マット(プロトタイプ)
    【産卵に使用するケース】
    クリーンケースM~L程度
    【産卵管理温度】
    20℃前後(※重要)
    【水分量(湿度)】 
    多からず少なからず
    【セット方法】
    ケース底面を固くつめ、材を入れ、その回りは柔らかく詰める。
    上部2~3cmほどは柔らかくマットを入れる。
    材の頭が出るようにセット。

     

    産卵セットは図示すると以下のような感じで組みます。(参考例です)

     

    gateway.php

     

     

    では画像と共にセット方法の手順をご紹介したいと思います。

     

    <手順>

     

    まずは使用する材を用意。こちらはクヌギ材になります。
    IMGP7730

     

    次に材の皮を剥きます。
    IMGP7731

    材の皮は剥かない方もいらっしゃると思います。自然界では当然皮などは剥けていないので、より自然のままのセットをお好みの方はそのままセットするというやり方もありだと思います。

     

    材を水に浸します。
    IMGP7736

    あくまで私のやり方ですが、私は材を水に浸す時、そこまで長い時間はかけません。

    目安は水に浸している途中で材を取り出し、実際に持ってみて、重量的に十分に水分が含まれているかどうかをみて判断します。

     

    IMGP7737

    実際に手に取って水分の染み込み具合を確認します。

    これは感覚的なものなので、どれ位とご紹介するのはとても難しいです。

    もし敢えて時間的に言うならば、早くて5分、長くても10分位といったところでしょうか。

     

    水から出した材を縦に置き、陰干しします。
    IMGP7739

    これも私的にはあまり時間はかけません。
    元々長く水に浸していませんので、陰干しもごくわずかの時間です。
    敢えて時間的に言うならばやはり5~10分程度でしょうか。

     

    次にマットを準備します。

    IMGP7740

    今回は材に産ませるようにセッティングしますので、マットはある程度なんでも可能ですが、幼虫が材から出て来て、こぼれ落ちてしまった場合、マットでも食せるように敢えて発酵マットを使用します。

    お勧めは、きのこマット完熟マット産卵マット(プロトタイプ)、です。

     

    材を入れます。今回は2本のクヌギ材です。

    IMGP7742

     

    材の周りをマットで埋め込みます。
    IMGP7744

     

    上から見た画像
    IMGP7745

    マット産みの傾向も強い種類では、材の横より下の隙間もマットを固く詰めると良い傾向があります。材に気に入らなればマットにも産んでくれます。

    しかしアカアシクワガタに関してはほとんど材産みが主なようです。
    アカアシクワガタは野外では土に半分埋まった材からも幼虫が出てくるので、本来は材産みですが、似たような環境を作る為に私の場合は敢えて材を埋めるようにセットしています。材の周りのマットはあえて固く詰めなくてもOKです。

     

    後は上に転倒防止のハスクチップを敷きます。
    IMGP7746

     

    ゼリーを入れます。
    IMGP7748

     

    後は親♀を入れフタをします。
    IMGP7755
    今回はコバエシャッターを使用してみました。

     

     

    セット方法を図示すると以下の様な感じです。
    (※図では2本の材は平行セットになっていますが、Tの字でセットでも構いません。)
    zaisanranset

     

     産卵セッティングに関しては上記のやり方でセットを組めば大丈夫だと思います。

     

     

    次に産卵セットを組んだ後、今度はいつその幼虫の割り出し作業を行ったら良いのかについてご紹介してみたいと思います。

     

     <割り出し、幼虫取り出しの時期>

     

    アカアシクワガタの場合、基本的に材産みの種ですので、材の中に幼虫が入っているのがほとんどですが、材よりこぼれ落ちた幼虫がそのまま周辺のマットを食し、マットで育っている場合があります。

    割り出しのタイミングは、材からこぼれ落ちた幼虫が多数いる場合には、基本的にはケース側面や底面に幼虫が見え始めてからになります。

    あくまでも目安ですが、ケース側面&底面に幼虫が見えている時は、「ケース側面&底面に幼虫が5~6頭位見え始め、その幼虫の大きさが2令位の大きさになった位」が割り出しの目安です。

     

    もしマット側面&底面に幼虫が見えてこない場合は、材の中にのみ入っている場合が多いですので、ケース外側からは幼虫が見えず割り出しのタイミング分かりません。そういった場合は、思い切って産卵セット開始後、「約2ヶ月程度」を目安に割り出すと良いと思います。

     卵や幼虫が1~2頭見え始めたからといってで早期に割り出してしまうと、まだ産む気がある♀の産卵活動を一旦ストップさせてしまうことがあるのであまり好ましくありません。

    だからと言ってあまり長く放置するのも危険が伴います。
    その理由は「子食い」にあります。

    産卵をしている♀は栄養補給の為に高蛋白質のものを欲し、栄養価の高い幼虫、いわゆる自分が産んだ我が子を食してしまう事がよくあります。

     先の日記記事でも書いていますが、コクワガタ、オオクワガタ、ヒラタクワガタ、スジクワガタ等のドルクス系クワガタは子食いの可能性が高いことで知られています。

    アカアシクワガタではまだ実際に見たことはありませんが、同じドルクス系なので用心するに越したことはありません。

     

    コクワガタ幼虫子食い
    子食いによって親♀に食された幼虫(コクワガタのセット)

     

    こうならない為にも、産卵セットを組んだ後、ある程度の期間で割り出してあげる事も必要になってきます。

     

    下の画像は過去に行ったアカアシクワガタ産卵セット割り出し風景です。

     

    アカアシ1
    ボロボロになった産卵木

     

    アカアシ5
    産卵木の中のアカアシクワガタの幼虫。

     

    アカアシ4
    次々と出てくるアカアシクワガタの幼虫。

    この時の産卵セットでは2本の産卵木で合計31頭の幼虫を取ることが出来ました。

     

     

     いかがでしたでしょうか?
    上記が私のアカアシクワガタの産卵セットの組み方です。

    アカアシクワガタの産卵セットで一番大事なのは温度管理、20℃前後の温度帯でセットするということだと思います。

    アカアシクワガタは野外でも比較的標高の高い所に生息しております。それゆえ、産卵させる時の温度帯はミヤマクワガタ、オニクワガタ等をセットする時と同様の温度帯が好ましいです。この温度帯をキープ出来れば、産卵させること自体はそこまで難しくないと思います。

    是非一度産卵セットを組み、幼虫飼育を挑戦してみて下さいませ。(^^)

     

    ※この方法はあくまでも私:Shihoの産卵セットの組み方です。やり方は人それぞれですので、あくまでご参考程度にご覧頂けますと幸いです。m〈_ _)m※