ギラファノコギリクワガタの飼育方法(幼虫飼育&産卵方法)

ギラファノコギリクワガタ

今日は先日お客様からお電話での中でご質問があったギラファノコギリクワガタの飼育方法についてご紹介したいと思います。ギラファも亜種分けすると数多くの産地がありますが、今回はその産地の中でも最も有名で最も大型になる傾向の強い産地、フローレス島産のギラファ(亜種名:ケイスケイ)についてご紹介したいと思います。

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参考画像【ギラファ♂112mm】

【飼育種】
和名:ギラファノコギリクワガタ
学名:Prosopocoilus giraffa keisukei

ではまずは幼虫飼育からご紹介していきたいと思います。

<幼虫飼育>
【使用するお勧めのエサ】菌糸ビン:Basic、Elementシリーズ
【えさ交換回数】 途中1回の合計2本使用
【設定温度】20~27℃前後
【羽化までにかかるおおよその時間】
2令投入して約9~11ヶ月(合計約11~13ヶ月)
(※羽化までの時間は餌や管理温度の状況によって変化します)

飼育は非常に容易な種です。今回画像にご紹介した個体(♂112mm)はElement1100~Element1400
の菌糸ビン2本で羽化してくれました。

1本目のElement1100をほぼ8~9割方食べつくして2本目に交換。2本目のElement1400も8割方は食していました。
その頃に食した土化した食痕の所で蛹化。蛹室はいつものように斜めに形成されており、相変わらず狭そうな感じが見られましたが、無事羽化。
この個体は112mmとまずまずの結果でした。

勿論、菌糸飼育だけではなく、マット飼育でも育つことは可能です。弊社のマットで飼育するならばお勧めは、きのこマット、くわマットです。

 

では次に産卵の方法についてご紹介したいと思います。

<産卵方法>
【産卵に使用するオススメマット】くわマット、完熟マット、黒土マット
【産卵に使用するケース】クリーンケースM~L
【産卵管理温度】25~27℃前後
【水分量(湿度)】多からず少なからず
【セット方法】ケース底面を深さ7割位で固く詰める。残りの1割程度はフンワリと。

図示すると以下の様な感じになります。

 

実際の画像でも手順を見ていきましょう。

マットでケース底面を固めていきます。
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固く詰めたマットの上にフンワリとマットを敷きます。
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転倒防止の木片とエサを入れます。
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間に新聞紙を挟んでセット完了
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このような感じで1~2ヶ月程度放置すると・・・。(もちろんゼリー交換はします)

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このようにケース側面に卵が見えてきます。

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 そして・・・約2ヶ月後の割り出し風景。

大体このようなかんじでセットを組んでいます。幼虫の取れる数は個体差、設定温度、セットする容器の大きさなどにより変化はありますが、失敗しなければ10~50頭ほど取れるかんじです。

 

如何でしたでしょうか?上記が私がギラファノコギリに対するセット方法例です。今回ご紹介した個体は♂112mmでしたが、ケイスケイはまだまだ大きくなる種です。聞くところによると120mmサイズも存在するようです。まだまだ工夫が必要なのでしょうね。。皆様も是非機会がございましたら、飼育してみて下さいませ。大型のギラファが羽化してくる瞬間は迫力満点ですよ。(^^)

コメント

  1. GUCCI より:

    ギラファノコギリクワガタは羽化後何ヶ月くらいで後食して、後食後どれくらいの期間で成熟してブリードできるようになりますか?

  2. tsukiyono より:

    GUCCIさん

    レスありがとうございます。

    後食開始時期や、熟成期間は管理温度によりばらつきがあると考えています。

    例に挙げるなら、常時25℃の状況で管理しているとすれば、羽化して約2か月程度でエサは食べ始める個体もあります。ただしこれも個体差がありますのであくまで目安です。

    それから熟成を考えると、私の場合は後食開始してから、約4~5か月は熟成させてから繁殖活動に持って行くようにしております。

    ギラファ自体寿命の長い種ですので、それ位熟成させてからの方が良いだろうという考えでそうしています。

    あくまで私個人の考え方ですので、ご参考程度にして頂ければ幸いです。

    飼育日記担当:Shiho

  3. GUCCI より:

    2021年3月羽化の個体を購入したのですが、そろそろゼリーを入れておいた方がいいですかね?

  4. tsukiyono より:

    GUCCIさん

    レスありがとうございます。

    後食開始時期は管理環境(管理温度&湿度)が大きくかかわってきます。

    あくまで予測ですが、常時25℃程度の管理下だと、3月羽化ならばもう後食開始しても良いころだと思います。

    ただ個体差もありますので、一概にこうだとは言えませんので、ゼリーを入れて様子を見てあげてみて下さいませ。

    あくまで私個人の考え方ですので、ご参考程度にして頂ければ幸いです。

    飼育日記担当:Shiho

  5. GUCCI より:

    羽化後3ヶ月経ち、ゼリーもよく食べていたので交尾させたところ交尾が成功していたため、産卵セットを今朝組んで投入したところ、マットに直ぐに潜って行きました。少し早かったかもしれませんが産んでくれる可能性はありますか?

  6. tsukiyono より:

    GUCCIさん

    レスありがとうございます。

    あくまで私のやり方&考え方(推測)ですと、羽化後3か月というと、後食を始めるのが羽化して約1ヵ月半~2か月程度。

    そう考えると、後食開始してからは約1ヵ月半~1ヵ月程度経過していると推測します。

    ギラファの場合の私の考え方&やり方は、後食してら約3~4か月程度はじっくり熟成を待つ方なので、その考えたを当てはめると、少し早いような気もします。

    ただ人によっては、人によっては後食を開始したら、すぐにでも交配させるという方もいらっしゃるように、そんなに長い間熟成期間をおかないという方もいらっしゃいますので、一概にこうとは言い切れない部分もあります。

    あくまで私個人の考え方ですのでご参考程度にして頂ければ幸いです。

    飼育日記担当:Shiho

  7. GUCCI より:

    昨日産卵セット組んだらもう底面にメスが卵を産んでくれました。孵化する可能性はありますか?

  8. tsukiyono より:

    GUCCI さん

    レスありがとうございます。

    卵が産み付けられていたということは、とりあえずは一安心ですね。

    孵化する、孵化しないについては、孵化するような卵(いわゆる有精卵)は、時がたつにつれて次第にまん丸くなったりと卵なりの成長が見られるようになると思います。

    逆に無精卵の場合は、その後膨らみなどの変化は見られず、次第に黒っぽく変色したり、凹んだりなどの兆候が出て来るような場合があります。

    あくまで私個人の考え方ですのでご参考程度にして頂ければ幸いです。

    飼育日記担当:Shiho

  9. GUCCI より:

    ギラファノコギリクワガタのメスが産卵セットから出てきたため、取り出そうと思ったら潜ってしまいました。ゼリーを見ても食べてる痕跡がありません。外観から見た感じの卵は8個ありました。今度メスが出てきた時にメスは取り出した方がいいのでしょうか?

  10. tsukiyono より:

    GUCCI さん

    レスありがとうございます。

    私の考え方では、別に取り出さなくても良いのではないのかなと思います。

    ゼリーを食べていないのは、産卵に集中しているとも取れますし良い兆候ではないかと・・・。

    あくまで私個人の考え方ですので、ご参考程度にして頂ければ幸いです。

    飼育日記担当:Shiho

  11. GUCCI より:

    ギラファノコギリクワガタの幼虫が20頭近く採取できました。まだ有精卵だと思われる卵もたくさんあるので別で管理しています。成功要因はなんだったのでしょうか?

  12. tsukiyono より:

    GUCCIさん

    レスありがとうございます。

    成功要因・・・う~ん、実際にこうだということは確実なことは私にも分からないですが、親♂♀の状態、熟成、産卵適齢時期、全てが上手く合致したということではないでしょうか。。おめでとうございます。

    飼育日記担当:Shiho

  13. siano より:

    先日、完熟マットで組んだギラファの割り出しをして、10頭の初齢幼虫が採れました。
    現在はプリンカップにて完熟マットに入れています。

    そこで質問なのですが、ギラファは初齢からきのこ園さんの「きのこマット(ガス抜き済)」に投入しても大丈夫でしょうか?

    飼育計画としては、3令初期まできのこマットで育てて、その後ELEMENT菌糸に移そうと思っています。

  14. tsukiyono より:

    siano さん

    レスありがとうございます。

    ギラファノコギリは丈夫度としてはかなり強い部類に入ると考えているので、勿論絶対落ちないとは言い切れませんが、ガス抜き、温度管理をしっかりとしているのであれば初令からでもきのこマットでいけると思います。

    あくまで私個人の考え方ですのでご参考程度にして頂ければ幸いです。

    飼育日記担当:Shiho

  15. 吾妻耶 より:

    はじめまして。
    先日月夜野きのこ園様で21年10-11月羽化のギラファ♂を購入させて頂いた者です。
    到着してから餌食いを確認できたので、結束バンドを使用して顎ロックの上で同居ペアリングをさせているのですが、♀を認識しても威嚇するような素振りを見せます。

    まだ初日なので、ペアリング初期ではよくある事なのでしょうか?それともまだ未成熟の可能性はありますか?

    ペアリング相手の♀は21年6月羽化なので、♀が未成熟とは考えにくいです。
    今まで国産種や色虫しかブリード経験がないため、宜しければご意見頂ければと思います。

  16. tsukiyono より:

    吾妻耶様

    初めまして、レスありがとうございます。

    羽化時期を考えますと、♀はおっしゃる通り成熟済でしょう。

    ♂の方は仮に遅めの11月羽化だったとしても、おそらく1月頃(管理温度や個体差にもありますが)には後食開始している頃なので、そこから今現在で約3か月。
    エサを食べ始めて約3か月程度の経過とみると確かに成熟していてもおかしくはないと考えます。

    ただ私個人の考え方からすると、まだ成熟してそこまで経っていないような気もするので、あまりにも威嚇が激しいようならばもう1か月程様子を見ながら交尾をさせてみては如何でしょうか?

    それと、アゴ縛りをしている場合、個体によっては極端に気にして交尾に集中出来ない個体もいますので、もしかしたらそれも交尾がスンナリ行かない原因の一つかもしれません。

    あくまで私個人の考え方ですのでご参考程度にして頂ければ幸いです。

    飼育日記担当:Shiho

  17. mr.yomofi より:

    7/7(メス)に出てきた個体と7/16(オス)に出てきた個体を飼育しています。
    メスの方がなぜかプロゼリーを与えたところ、少し食べたんです なんででしょうか?
    長生きさせるコツとか休眠期間はどのくらい終わるのか教えてくれると嬉しいです

  18. tsukiyono より:

    mr.yomofi様

    レスありがとうございます。

    ギラファノコギリは外国産ノコギリの中でも長生きする方だと思います。

    長生きさせるコツは、少し低温気味(18~20℃程度)、で快適な環境(適正な湿度、ケース内の水分量、エサを絶やさない、転倒防止などを防ぐようにする)を保つことで長生きする傾向は強まると思います。

    休眠期間は管理温度にもよりますが、25℃程度で管理した場合、羽化してから約1ヵ月半~2ヵ月程度でエサを食べ始めると思います。

    7/7に出て来たとは自分で蛹室から出て来たということでしょうか?
    それならば蛹室内で既に後食までの休眠は終えていたのではないかと考えられます。。

    交尾や産卵をさせようと考えているのならば、そこからまだもう少し時間をかけた方がより良いでしょう。エサを食べ始めたばかりではまだ成熟はしてないと考えます。

    そうですね、エサを食べ始めてから、2~4か月程度はじっくりエサを食べさせ追成熟させてから交尾~産卵に移行した方が、より産卵数も増えてくれると思います。

    この考え方ややり方はあくまで私個人の考え方ですので、ご参考程度にして頂ければ幸いです。

    飼育日記担当:Shiho

  19. gubai より:

    9月羽化のオスと8月羽化のメスを購入したのですがいつ頃交尾させたらいいですか?

    • tsukiyono より:

      gubai様

      コメントありがとうございます。

      あくまで私のやり方でのお答えになりますが、私の場合だと、後食開始後の成熟を考えると、来年の2~4月辺りになると考えます。
      幅がありますが、そこはエサ食いと活動の様子を見ながら決めていきます。

      私の場合は成熟はじっくりさせるタイプなので、あくまで私個人のやり方です。
      ご参考程度にして頂けると幸いです。

      飼育日記担当:Shiho

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