アトラスオオカブトの飼育(幼虫飼育&産卵方法)

アトラスオオカブト

今回はカルコソマ属のアトラスオオカブトの飼育方法についてご紹介したいと思います。

夏になるとデパートやホームセンターでも気軽に見られるようになったアトラスオオカブト。この種は産卵&幼虫飼育共に非常に容易な種です。今回はアトラスオオカブトの中でも、一番多く見られるスマトラ島産のアトラスオオカブトをご紹介します。

 

アトラス
【個体参考画像:アトラスオオカブト♂】

【飼育種】
和名:アトラスオオカブト(スマトラ産)
学名:Chalcosoma atlas atlas

 

ではまずは幼虫飼育から見ていきましょう。

 

<幼虫飼育>

【お勧めのエサ】きのこマット、完熟マット
【使用した容器】1400cc~1800ccボトルの空容器
【えさ交換回数】途中2~3回程度程度
【設定管理温度】25℃前後
【羽化までにかかった時間】初令投入~合計約11~12ヶ月

幼虫飼育は容易な種です。1400~1800cc程度の容器にマットを入れて育てます。体が大きくなってくると糞が目立ってくるのでその際はエサ交 換をします。蛹室も横に作り、1400~1800cc容器程度の大きさならば問題なく無事羽化出来るでしょう。より余裕を持って飼育したい方はクリーンケースSあたりあれば十分でしょう。

 

<産卵セット方法>

【産卵セット内容】
【お勧めのマット】、黒土マット、完熟マット
【セット期間】
・採卵の場合:2~3週間ごとに採卵
・自然放置の場合:開始~約2ヶ月半日間
【使用するケース】クリーンケースL程度
【設定温度】25℃前後。
【産卵セットの内容】ケースの7割程度をほんのり固く詰める。残り2割程度はふんわりと。
水分量:適量(握って水が染み出ない程度)

図示すると以下の様な感じになります。

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産卵の方法には、採卵する方法と、自然放置の方法があります。私は主に採卵する方法を行っています。産卵セット開始してから2~3週間ごとに割り出して卵を回収する方法です。

【採卵した卵の管理方法】

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上記のようにケースに穴をつくって卵を落とし込み、その上をマットで軽く覆います。あとは孵化を待つのみです。管理温度は25℃前後にして管理しています。有精卵ならば孵化率も悪くなく結構沢山の幼虫が取れます。

 

採卵しない場合は、セット開始して約1~2ヶ月もすればケース側面や底面などに幼虫が見えてきます。沢山幼虫が見えてきたら回収しましょう。

また産卵セットを組んでいる期間中に♀が頻繁にマット上面に上がって来ていてなかなかマットに潜らない場合は、もしかすると既にマット中には卵を沢山産卵しており、もう産む場所がないので、仕方なく上がって来ているのかもしれません。

そういった場合は、産卵セットを別にもう一セット作って♀を再度産卵セットに移動させ、産卵をさせてやるなどして対応しましょう。

 

如何でしたでしょうか?外国産カブトの中で入門種としても最適なアトラスオオカブト。幼虫飼育も産卵も容易な種ですので、是非機会がありましたらチャレンジしてみて下さいませ。(^^)

コメント

  1. やまたか より:

    こんばんは。 7月にメス。8月にオスが羽化。 双方ブンブン羽音を鳴らし、テイクオフの状態。実際、手に乗せるとこの時を待ってました!という感じ。 オスは可愛らしい短角でしたが、解禁当初から何度か挫折した種類。今から40年近く前に見たアトラスオオカブト、コーカサスオオカブト、ヘラクレスオオカブトの標本。 憧れてた虫。 それがやっと羽化。 メスは足が取れフセツもなくなり、余命をケースで暮らして貰うだけとなり、少し寂しく思うところです。 オスは土に潜り上がってきません。でも、生きてます。確認してます。 長くなりましたが、メスがそこそこ卵産んで採卵。真ん丸の卵もいつの間にかなくなってたので孵化?と思いばらした。すると卵0。幼虫0。 次に採卵すると数卵。しかし、萎んで死卵。ダニの餌食。 真ん丸の卵があったので無精卵でないと思いますが、なぜ採卵出来なかったのか。なぜ、幼虫が取れなかったのか。不思議でなりません。 現在、蛹化してる最後の個体があり、それがメスらオスの寿命前に採卵まで持っていきたいですが、何がダメだったのしょうか? 雌雄の同居で潰れた?親の代でも同じで20卵近くとれたのに…何とか次世代に繋ぎたいです。 コーカサスオオカブトは菌カスでマットより気持ち大きくなった?と思えます。 モーレンカンプオオカブトはペアでメスが蛹。オスはシワシワでもうすぐ蛹室作りそうです。 カルコソマは惹き付けるものありますね

  2. tsukiyono より:

    やまたかさん レスありがとうございます。 卵がダメだったということ、残念な気持ち、お察し申し上げます。 膨らんでた卵があったということは、仰る通り有精卵だった可能性がありますが、 それでいて孵化がゼロとは何とも不思議ですね。 マットのダニにやられてしまったのでしょうか? その他考えられるのは、全ての卵がダメになるということは、 親♀もしくは親♂個体そのものの生殖能力に問題があったか・・・・。 もしくは成熟度が足りずきちんと有精卵になりきれていなかったか・・・ しかし膨らんでいる卵があったのですよね? う~ん・・・難しいですね。 なかなか正確な答えは難しいですね。 親♂♀がまだ元気ならば何とか頑張って産卵セッティングを続けるしかないですよね。 あまり的確なご回答が出来ずに申し訳ございません。 是非頑張って次世代につながるようお祈り申し上げます。

  3. やまたか より:

    早速の回答ありがとうございます。 真ん丸の卵で明らかに大きかったので有精卵だったと思いたいです。 ケース側面で確認。採卵して無くなったものやダニに襲われたものもあります。形は楕円や真ん丸。メスに潰されたと言うのも考えますが不思議です。 WDF1でこれは残念なので、蛹化してるのがメスなら加温して繋ぎたいですね。 成熟度はブンブン飛び回るようになれば出来てるという話もありますが、飼育個体が成熟してるであろう時はどういうときですか?

  4. tsukiyono より:

    やまたかさん レスありがとうございます。 飼育個体における成熟度の目安ですが、あくまで私自身の考えになりますが、まずはしっかりとエサ食いがあることが絶対条件です。 少し舐めるような食べ方ではなく、しっかりとがっつり食べるようになること。 またケース内を落ち着きがないように動き回ったり、やまたかさんがおっしゃるように飛ぶ姿勢を見せるようになることも熟成しているという目安にしています。 ただあくまでも目安でしかないので、それで絶対大丈夫だというわけではないので、ご参考程度に聞いて頂ければ幸いです。 よろしくお願い致します。 飼育日記担当:Shiho

  5. ライトハウス より:

    いつも学ばせて頂いております。
    教えて頂きたいのですが、冬場は十分に保温が必要でしょうか?
    室内であっても、温室等での管理が必要でしょうか?
    よろしくお願いいたします。

  6. tsukiyono より:

    ライトハウスさん

    レスありがとうございます。

    アトラスカブトの場合、寒さにはあまり強くないと感じます。

    あくまで私が飼育した際の感想ですが、室内温度というよりは管理しているケース内温度が15℃以下にはしない方が良さそうです。

    しかし15℃というのは死亡しない(弱らない)ギリギリの下限温度であって、快適に過ごせる適温とならば20℃以上はキープされた方が良いと感じています。

    ご参考程度に聞いて頂ければ幸いです。

    飼育日記担当:Shiho

  7. サクラ より:

    いつも参考にしています。飼育2シーズン目の初心者主婦です。昨年はWDアトラスをペアで飼育し産卵まではいきましたがひとつも孵らず(交尾は確認せず)、悔しさのあまり今年もアトラスでリベンジ中です。今年は流通量が少なく専門店では買えず、ホームセンターでペアを購入したのですが羽化時期も採集地もWDかBDかすらも不明とのことだったので、購入後すぐにハンドペアリングさせ交尾を確認して産卵セットに移しました。ところが10日ほど経った今も地上をウロウロするばかりで産卵の気配がありません。またオスもメスも、去年のペアより静かで夜中に飛び回ったりもしていないようです。若すぎて成熟していないのか、それとも逆にすでに弱ってきているのかわかりません。エサの減りは、食べてはいますが遅いように感じます。この間、オスの後ろ足が一本途中から取れてしまったのも見たのですが、もう一度交尾させてもいいのでしょうか。また産卵セットのマットが10センチ程度で少し浅かった気がするので、上からマットを足して固め直し、二回目の交尾をさせたメスを戻してもいいのでしょうか。教えていただけると嬉しいです。

  8. tsukiyono より:

    サクラさん

    レスありがとうございます。

    アトラスオオカブトの場合、あくまで私のやり方ではありますが、

    ・WD個体ならば即ブリードOK!
    ・ブリード個体ならば後食開始してから約3週間程度じっくり食べさせてから交尾~産卵をさせるようにしています。

    しかし、WDものかブリードものか分からない個体。。。
    確かに繁殖のタイミングが難しい所ではありますが、とりあえずエサ食いがあるのならば交尾をさせてから産卵セットを組んでも良いと思います。

    ♀が潜らない理由は色々考えられます。
    例を挙げると、

    ・熟成が甘くまだ成熟していない。(産卵する気になっていない)
    ・まだ環境に慣れきっていない(落ち着いていない)
    ・♀が産卵をする環境だと思えていない。
    ・♀個体自体の体調が良くない。
    ・WD個体だった場合、既に産卵を終えた個体である。
    ・羽化してかなり経過した為、産卵する力が残っていない。

    等が考えられます。

    羽化後、結構時間が経ってくると、エサ食いも弱くなり、フセツ等が取れやすくなってきます。

    エサ食いも少なく、フセツが取れて来たという話は少し気になりますね。
    もしかすると、羽化して結構時間が経過している個体かもしれません。

    また交尾は一度成立したのを確認していれば大体は再交尾の必要はありませんが、すんなり♀が受け入れるならば、再交尾させても良いと思います。

    産卵セットのやり方は間違ってないと思いますが、一応確認の為に言うと、

    マットをケース底面から10cm位を固く敷き詰め、上部2~3cmふんわりと敷き、そこに交尾後の♀を投入。

    産卵させる適温は25~28℃位がベスト。
    あまり温度が低くても高すぎても産まない場合があります。
    この時期は高温の蒸れには注意してあげて下さいませ。

    後水分量も大事です。

    ちょっと詳しく言うと、マットをぎゅっとに手で握って、土団子が出来、その土団子が手のひらで転がしても崩れない程度の固さ。逆にぎゅっと握った時指の間から水がしたたり落ちるようでは水分量が多すぎると思います。

    その様なセット環境に、あとは交尾済みの♀を投入すればOKです。

    たとえ10日程潜らなくても、その後突然スイッチが入ったかのように潜り産み出すこともありますが、寿命的もあまり長くない種ですので、産む気配が無ければ何らかの環境の変化をあたえてやるとよいかもしれません。(再交尾も含めて)

    あくまで私:Shihoの考え方ややり方になりますので、ご参考程度に聞いて頂ければ幸いです。

    よろしくお願い申し上げます。

    飼育日記担当:Shiho

  9. サクラ より:

    Shiho様、とても丁寧なお返事ありがとうございます。去年はすんなり産卵してくれたのでワクワクしていましたが、産卵してくれない理由もけっこうあるんですね。ホームセンターの兄ちゃん、しっかりしてほしかったです。笑 もしすでに産卵が終わっていたり弱っているなら仕方ないですが、ダメ元で再交尾にチャレンジして産卵セットを組み直してみようと思います。ひとつ引っかかるというか思い当たるのは、マットの水分量です。表面からの霧吹き程度しか加水してないので、Shiho様のアドバイス通り加水してから組んでみます。温度は調節しているし、他は問題ないと思うのですが…。やっぱりどうしても、産卵から幼虫、サナギへと育ててみたいです。息子のためにたまたま始めた飼育でしたが、今では完全に私の意地と趣味です。笑 がんばります!

  10. tsukiyono より:

    サクラさん

    レス返信ありがとうございます。
    飼育していると色々な問題が起こってきますよね。
    また何かありましたらお気軽にお声がけ下さいませ。
    ブリード成功するようお祈り申し上げます。

    コメントありがとうございました。

    飼育日記担当:Shiho

  11. GUCCI より:

    交尾が10分くらいで自然に終わりました。終わる頃オスの生殖器から白い糸状のものが見えたのですが、交尾は無事に終わったとみなして産卵セットに投入してよかったのでしょうか?

  12. tsukiyono より:

    GUCCI さん

    レスありがとうございます。

    糸状のものが出たということは良い兆候ですね^^

    産卵セットに投入しても大丈夫だと思います。

    飼育日記担当:Shiho

  13. GUCCI より:

    アトラスオオカブトが卵をたくさん産んでくれました。卵から幼虫孵化までどれくらいの期間がかかるのでしょうか?

  14. tsukiyono より:

    GUCCI さん

    レスありがとうございます。
    返信が遅れましたことをお詫び申し上げます。

    卵の孵化ですが、アトラスの場合だと25℃管理下におけば約1か月ほどで孵化してくると思いますが、全ての卵がそうだとは限りません。

    個体差もあるでしょうし、孵化しない卵も存在してくると思います。
    また管理温度や環境によっても変化する場合がありますことをご了承下さいませ。

    ご参考程度に聞いて頂ければ幸いです。

    飼育日記担当:Shiho

  15. elio より:

    いつも色々読ませて頂いております!
    今日本のクワカブを4種楽しくブリードしていて、今回アトラスを始めました!
    自分はいつもデカ目のケースでオスとメスを常に産卵セットに入れて時々ハンドでやったり自然に交尾してるのを確認してました!今自然とハンド合わせて5回ほど交尾確認しました!自然4、ハンド1!
    卵もケース側面に確認出来たのですが割り出しせずにしばらく自然にしておこうと思うのですが幼虫の確認出来たら割り出ししようと思ってます!そこで、日本のカブトムシのように幼虫を二、三匹を同じケースで最後まで飼育する事はかのうでしょうか??

  16. tsukiyono より:

    elioさん

    レスありがとうございます。

    アトラスオオカブトの1ケースによる多頭飼育ですね。

    多頭飼育はどのアトラスに限らずどの種でも可能ではあります。

    飼育のケースの大きさがデカめのケース。
    ということは仮に弊社で販売しているクリーンケースLサイズクラスだと仮定すると、アトラスオオカブトの幼虫ならば2~3頭の範囲ならばまずは大丈夫かとは思います。

    ただしアトラスオオカブトでも大型になるミンダナオアトラスの場合だと幼虫も大型になりますので、2頭程までがよろしいかと。。

    また国産のカブトムシの場合は縦に蛹室を作るので横のスペースはさほど心配はいりませんが、アトラスの場合だと横に作りますので蛹室を作る時期の蛹化スペースにはご注意下さいませ。

    スペースが小さくなると、不完全な蛹室を形成してしまう可能性もあります。
    そうなると蛹化不全、羽化不全の可能性が高くなってしまうので注意が必要になってくる場合もあります。

    大きめのケースで多頭飼育して、終令になり蛹化前になったら個別のケースに移して羽化させるのもまた一つの方法かとは思います。

    あくまで私:Shihoの考え方ですのでご参考程度に聞いて頂ければ幸いです。

    宜しくお願い申し上げます。

    飼育日記担当:Shiho

  17. tsukiyono より:

    GUCCIさん

    アトラス♂の管理方法のレイアウト?とは?

    アトラス♂成虫の普段の管理方法という意味でしょうか?
    すみませんが、もう少し詳しく説明して頂けるとありがたいです。
    宜しくお願いし申し上げます。

  18. komaki より:

    こんにちは。
    アトラスオオカブトの産卵には20個くらい成功して、今孵化を待っていますが、ほんとに小さい茶色の虫が大量に出てきて困っています。ダニでしょうか?対処方法はありますか?よろしくお願いします。

  19. tsukiyono より:

    komakiさん

    レスありがとうございます。

    ダニなどの他に、トビムシやその他の虫という場合も考えられますが、ダニ系に関しては私も専門的な知識は持ち合わせていないので正直何とも言えません。

    あくまでダニと仮定して、私が行っている対策としては、

    ・卵をマット管理しているならば、その表面に木酢液をかけてやる。(卵には直接かけない)
    ・管理しているケースがあるなら、そのケースの下にダニ除けシートを敷く

    ただダニがマット内部にも多数侵食していた場合、表面だけに木酢液などをかけてもダニは潜っているのでなかなか駆除は難しいと考えます。

    またダニが表面いて、そこに直接にかけたとしても内部に潜ってしまう可能性もあります。

    あまりにもひどい場合は、思い切って卵を管理している媒体(マット等)を一度全部交換してあげた方が良いかもしれません。

    もっと他にも良い方法があるのかもしれませんが、私が思いつくのは上記の方法です。

    あくまで私個人の考えうるやり方ですので、ご参考程度にして頂ければ幸いです。

    宜しくお願い致します。

    飼育日記担当:Shiho

  20. komaki より:

    shiho様

    お返事ありがとうございます。
    木酢液やダニ除けシートを試してみようと思います。また、マットの交換も視野に入れてみます。

    またダニが増えそうならケースを外に置こうかなと思うのですが、これから夏や冬はちょっと厳しいですよね?一応影に置こうとは思うのですが。幼虫も夏は冷房、冬は暖房の部屋で育てないといけませんか?

  21. tsukiyono より:

    komaki さん

    ご返信ありがとうございます。

    そうですね、アトラスはもともとインドネシア等の東南アジアに生息しております。
    そこは温暖で一年を通してそこまで日本ほど急激な温度変化が少ない場所でもあります。

    なので日本のもの凄い暑い夏(気温30度以上)、かなり寒い冬(気温10度以下)の温度帯で長期間さらしてしまうと、弱って来てしまう可能性があります。

    エアコンや暖房などの機器なしでは、なかなか難しいとは思いますが、出来るならば、15~28℃位の間になるように、場所を選んで管理されると良いのではないかと思います。

    あくまで私個人の考え方ですのでご参考程度にして頂ければ幸いです。

    飼育のご健闘をお祈り申し上げます。

    飼育日記担当:Shiho

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