クワガタ、カブトムシの冬場の温度管理方法 Ⅰ【発砲スチロールで作る簡易温室作成】【2019年度版】

Shiho的見解

早いもので11月に入りました。
今年もあと2か月を残すのみですね、本当に月日が経つのは早いものです。

気温も段々と寒くなってきました。

寒くなって来たこの時季の、毎年恒例記事のご紹介です。

冬場の温度管理方法。

Shiho自作の簡易発泡スチロールによる簡易温室の紹介です。

あらかじめ御了承を得たいのですが、この記事は秋口になると毎年紹介しております。それゆえに何度もお目にかかられた方も多いと思います。

ですが今年から始められたクワカブ初心者の皆様や当日記を初めて御覧になられている方達の為に少しでもお役に立ちたいと思い、しつこいながらも今年も紹介させて頂きたいと思います。

一部追記事項もありますが、大体の内容は例年と同じ重複しております。御理解&御了承の程よろしくお願い致します。

日中はまだまだ暑い日もありますが、 朝夕はめっきり涼しくなりました。外国産のクワカブにとっては日本の冬は寒さの厳しい時期です。

日本の虫は、元々この日本の四季のある環境に順応しており、氷点下になる冬でも乗り越えられる能力を持っています。

ですが、外国産の虫についてはこの能力は持ち合わせておらず(一部例外もあります)、日本の虫と同じように常温飼育をしてしまっては、 かなり動きが悪くなり、場合によっては死亡してしまいます。

それではどうすれば良いのか?

答えは温度管をしてあげれば良いのです。

簡単に答えてしまいましたが、この温度管理、結構大変で苦労している方も多いと思います。

温度管理方法で一番先に思いつくのは、

【エアコンでの管理方法】

 

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大量に虫を飼育されている方等は、一部屋ごと空調(エアコン)による温度管理をされている方が多いようです。

しかしコストが割高になる、家族の理解など、なかなか問題があり、そうそう容易に実行出来るものではありません。

少量を飼育されている方、 電気代を考えて一部屋エアコンを常時つけられない方も多数いらっしゃると思います。

そんな時は簡易温室を作ってみるという手があります。

簡易温室には、ガラス温室を利用した立派なものもあれば、メタルラックにビニールをかぶせたもの、 ダンボールや発泡スチロールを工夫して作ったもの等、工夫次第で色々手作りする事が可能です。

今回はその中でも、少量飼育の方の場合を想定して、発泡スチロールでつくった簡単な温室をご紹介してみたいと思います。

【発泡スチロールで作る小型簡易温室】

同じ大きさの発泡スチロールを3個用意します。

 

3個の発泡の内、2個を底面をカッターでくり抜き、キャンプ等で使用するバーベキュー用の金網をおきます。

 

残り一つは一番底面になるのでそのままですが、温度源となるものを置きますので、コードの穴を開けます。 今回は電気あんかを温源に使用しました。

 電気あんかの下には少しでも熱を上に上げる為に、アルミ箔シートを下に敷き詰めました。

 

コードの穴の隙間部分は切り取った発泡スチロール部分を少し小さくして再度はめ直すとよいでしょう。

 

3つそろって下のような感じです。

 

後は重ねて、2つの段の上に飼育する虫を置くだけです。

 

この温室は小さいので多数は置けません。また温源も電気あんかと比較的弱めの温源であるため、外気温が凄く寒い場合には、中が低くなる場合もあります。置く場所などを選んで、 適温になるように調整しましょう。

<理想の温度帯>

温室が完成しましたら、必ず温度テストをするようにしましょう。
どこにお住まいか、またどんな場所に置くかでも温度はかなり違ってくると思われます。

ご自分の育てる場所で、どれくらいの温度をキープ出来るかを認識しておくことは重要です。

 冬場でもクワガタ、カブトムシ(主に外国産)を活発に活動させるには、

15~28℃

大きく言うと、この温度帯をキープが必要かと思います。

※飼育する虫の種類によっては活発な活動温度帯は異なります。それぞれの飼育種に合わせて更に細かく調整するなどの工夫も必要かと思います※

 

テスト実験してキープ温度がもう少し低いならば

・もう少し暖かい部屋に移動させる
・外側にアルミシートなどをかぶせる
・加温器を少しグレードアップさせる
・発泡スチロールの容量を少し狭くする

等の対処をして、ご自分のお住まいに合った調整法を考える必要があると思います。

 

 

<温度確認方法>

中に温度計を1つ入れて確認すると良いと思います。

弊社でも販売している「室内室外温度計」ならば、先端のセンサーの部分だけを小さな穴を開けて差し入れておけば外側からでもすぐに内部の温度が分かるので便利です。

室内室外温度計

 

また昔小学校の頃位に実験などでよく使っていた30cm位の長い温度計などでも発泡スチロールの上面から突き刺しておけば、外側からでも確認出来るので便利だと思います。

<通気確保>

また空気確保の為、発泡スチロール上面に小さな穴を2つ位開けておくと良いと思います。元々そこまで保温能力は高くないので、大きめの穴は避けた方が良いでしょう。

この様な感じで小型のものならば結構簡単に作れます。
飼育の数に合わせて土台を選び、それにあった温源を選択するとよいでしょう。

温度が高く上がりすぎるような温源(小型電気ヒーター)等は、 コンセントとの間にサーモを接続して温度設定をしてあげれば、 一定の温度を保つ事も可能かと思います。

また、より広く、ちょっと本格的なものを作りたいならば、例を挙げるならば下記の画像のような園芸用の温室等を使用すればより簡単に簡易温室が作れます。

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一番下の棚に温源となるものを入れて後は密閉するだけ・・・。
温源とサーモを接続してコンセントに差し込めれば、容易に温度管理が可能です。

また内部に小型ファンを入れれば空気も循環して全体的にムラなく温度管理が出来るでしょう。

ご紹介したのはあくまで簡易温室ですが、以外となかなか役に立つものです。

しかし上記でも書きましたが、皆様の住んでいる地域地域によっては能力に差が出てくることもあります。

例えば北海道で使用するのと九州、沖縄で使用するのとでは全然違ってきます。

それぞれの管理する場所にあった温室作りが大事だと考えます。

しっかりと温度対策をして厳しい冬を頑張って乗り切りつつ、クワカブライフを楽しみましょう。

※この方法はあくまで私自身のやり方です。 人それぞれによって考え方や方法等は異なると思います。あくまで参考例として見ていただければ幸いです。

コメント

  1. たん より:

    お久しぶりです。
    Shinoさんに教えていただいた↑の方法で保温しているのですが、ケースの底面と上面で温度差ができてしまいます。。。
    底面が24度、上面が18度くらいです。
    その結果、ケースの蓋で結露が起こって、水滴がついてしまいます。
    熱源からもう少し離したほうがよいですかね?

  2. tsukiyono より:

    たんさん

    レスありがとうございます。

    何を管理するかによると思いますが、サタンやネプチューン、ミヤマ等の低温種でなければ24度位あっても良いのではないかと思います。

    温室内で温源を使用すると、どうしても温度差が出て来てしまいますので、均一にしたい場合は、文章欄にも書いているように小さいファンなどを内部に置いて空気循環しての対策が必要かもしれません。

    またケース内で結露が起こるということは、ケース内の通気が狭く、温められたマットの水分蒸気が外に逃げにくい為起こっている可能性があるかもしれません。

    結露が多くなると線虫などが発生しやすくなりますので、結露を防ぐには、

    ・全体の温度差を出来る限り少なくする。
    ・飼育ケースの通気を良くする(通気口を広げる)。
    ・飼育ケースの蓋と本体との間に新聞紙などを挟んで、余分な水分をカットする。(新聞紙は水を含んで来たら交換する)

    等の対策を取ると良いと思いかとます。

    あくまで、私個人の考え方ですので、ご参考程度にして頂ければ幸いです。

    宜しくお願い申し上げます。

    飼育日記担当:Shiho

  3. たん より:

    ご回答ありがとうございます。

    管理している種はパラワンオオヒラタ、スマトラオオヒラタなので24度という温度は大丈夫です。
    心配しているのは温度や結露というよりも温度差の方です。ケースの上下で5度前後の温度差ができてしまうことは気にしなくてもよいのでしょうか。
    デジケースを使用しているので確かに通気性はよくありません。今日からはキッチンペーパーでも挟んでおこうと思います。
    あとは、試しに空箱の上下にパネルヒーターを置いて実験してみます。パネルヒーターは表面温度が27度になったら自動的に電源が切れるので、そこまで温度は上がらないはずです。温度が大丈夫だったら明日からは実際にクワガタたちを入れてみます。

  4. tsukiyono より:

    たんさん

    レスありがとうございます。

    先日頂いたデータですと、ケースの上面が18℃、底面が24℃。

    幼虫にしても成虫にしても、その底面に近い方にで活動している可能性が高いと思います。

    となると、底面に近い部分は24℃ということならば、その温度帯なら適温かと思います。

    また仮に18℃に近かったとしても、その種ならば成虫、幼虫共に十分飼育可能な温度帯だと思いますし、逆にかえって20℃前後の方が幼虫もじっくりと低温で大きく育ってくる傾向もありますし、成虫も活動が抑えられて長生きしてくれる傾向が強まるのではないかと思います。

    産卵活動や交配をするのではなければ、そこまで暖かくする必要もないので、今の温度帯で十分ではないでしょうか?

    あくまで私個人の考え方ですのでご参考までに頂ければ幸いです。

    宜しくお願い申し上げます。

    飼育日記担当:Shiho

  5. たん より:

    ありがとうございます。

    普段部屋に置いている時は、(当たり前ですが)底面と上面は同じ温度なので、ケース内に温度傾斜ができてしまうことに抵抗がありました。しかし、Shino様のご意見が聞けて安心いたしました。

    最後にもう一つすみません。パネルヒーターを底ではなく蓋側に置くと、上面が24℃、底面が18℃になります。
    ・ケース上面が18℃、底面が24℃
    ・ケース上面が24℃、底面が18℃
    だと前者のほうがよいですかね?今飼育しているのはパラワン、スマトラともに未後食成虫で、基本的にはマットに潜っています。
    自然環境に合わせるなら、地上よりも地中のほうが冷たいよなぁ、とも思いまして・・・。

  6. tsukiyono より:

    たんさん

    レスありがとうございます。

    どの温度帯にするかですが、たんさんが「ブリード時期を早めたいか」、もしくは「遅くしたいか」のどちらかの選択によると思います。

    未後食でマットに潜っているということは、底面に近い部分にいると思いますので、

    ・早く熟成させてブリードを早くしたい場合は、底面温度を高め(24℃の方)に。
    ・じっくり熟成させて、もう少し後でもブリードが良いと思う場合は、底面温度を低め(18℃)に。

    管理温度によって、活発化熟成する期間(温度低めの方が熟成もゆっくりとなる傾向があるようです)も変わってくる傾向がありますので、あとはたんさんが早くブリードしたいか、もうちょっとゆっくりブリードしたいかで決めてもらっても良いのではないかと思います。

    でもどちらの温度帯で管理しても、私が考えうるに適正範囲内の温度(18~24℃ならば)ですので、そこまで気にしなくても良いかとは思います。

    あくまで私個人の考え方ですのでご参考程度にして頂ければ幸いです。

    宜しくお願い申し上げます。

    飼育日記担当:Shiho

  7. たん より:

    今回は、
    ヒーターを上面に置くことにしました。
    ありがとうございました。

  8. mira より:

    こんにちは!
    質問なんですが、ビニール温室をそのまま冷室に変えることも可能ですかね?
    今年から一気に種類が増えて低温種の代表格のミヤマも増えました。今は産卵セット組み、発泡スチロールで作った簡易冷室に入っているのですが、卵が取れたとしたら狭いなぁと思っていまして。

    こちらで紹介されているビニール温室を今年は買うつもりなんですが、冷室としても使えたらなぁと思って質問しました!!

    よろしくお願いします。

  9. tsukiyono より:

    miraさん

    レスありがとうございます。
    ビニール温室を冷室に変えることは勿論可能です。
    ただ、温源を暖房機から冷房機に変えないといけませんので、そこだけ変更すれば大丈夫ではないかと思います。
    あくまで私個人の考え方ですので、ご参考までにして頂ければ幸いです。

    飼育日記担当:Shiho

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